私は飲食店を経営しています。
開業当初は1店舗のみでしたので5名程度の従業員で営業していましたが、ここ数年で業績が急成長したため、
店舗数・従業員数共に約10倍に増加し、現在は50名以上が働いています。
そこで質問があります。
当店の1週間の所定労働時間は「44時間」で計算していますが、先日従業員から1週「40時間」が正しいのではないかとの指摘がありました。
当店が設定している1週「44時間」という制度は法律上問題があるのでしょうか?
労働者の労働時間については、労働基準法により明確な基準が定められています。
この基準となる労働時間の限度のことを「法定労働時間」といいますが、原則として「1週40時間、1日8時間以内」と定められています。
しかし、事業場が一定の条件を満たした場合は、1週間あたりの「法定労働時間」を「40時間」ではなく「44時間」とすることが可能となります。
これが「特例措置対象事業場」と呼ばれる、事業場に適用される労働時間の制度です。
「特例措置対象事業場」の制度を適用できる事業場は、規模や業種により制限されており、下記の基準を満たすことが必要となっています。
◆特例措置対象事業場の要件
ご質問のケースの場合、総人数では50名以上の従業員がおられるため、「特例措置対象事業所」には該当しないと思われるかもしれません。
ただし、労働者10名未満という「特例措置対象事業場」の制限を受けるのは、あくまでも事業場単位となっています。
事業所とは、飲食店の場合でいうと1つの店舗であり、会社全体ではありません。
そのため、会社全体で50名以上の従業員が在籍していたとしても、一つの店舗の従業員数が10名未満であればこの条件を満たすこととなります。
現状では、「特例措置対象事業場」として1週「44時間」が適用されると思われますが、従業員の増加により各店舗で10名を超えると適用除外となりますので、従業員数には十分に気をつけて管理されることをおすすめします。