労務相談[労働者側|内定辞退の損害賠償請求には従わなければならないのか?]|飲食求人 グルメキャリー

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内定辞退の損害賠償請求には従わなければならないのか?

私は飲食店で働きながら転職活動をしていた会社に内定をもらいました。
転職のために退職すると店長に話したところ、労働条件などを見直すので残って欲しいと引き留められ、私も労働条件が良くなるのであれば慣れたお店がいいので残ることに決めました。
その後内定をもらった会社に内定辞退の話をすると、雇用契約のサインをもらっているし辞退するなら損害賠償請求すると言われました。
これには従わなければならないのでしょうか?

採用内定者からの内定辞退は会社側の立場としては非常に困った問題です。

採用内定は、法的には「解約権留保付労働契約」が成立したと考えられており、簡単に言うと大学や専門学校などの卒業を条件とした条件付きの労働契約が成立したということになります。

内定辞退はこの条件付きの労働契約を解約することとなりますが、内定者からは、民法の解約の自由が適用されますので、雇用期間の定めのない労働契約であった場合には、内定辞退を申し出て2週間経過すれば自動的に労働契約が解約されたことになります。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

民法第627条第1項

また、日本国憲法では「職業選択の自由」が補償されているため、内定者からの辞退を会社が拒否することはできません。

何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

日本国憲法第22条第1項

このような法律上の解釈から、内定辞退に対する損害賠償は非常に難しいと考えられますが、内定辞退があまりにも非常識で不誠実であった場合は、会社からの損害賠償請求に発展するケースもあります。

内定辞退が違法となる可能性があるケースとしては、入社直前の内定辞退や入社を約した設備投資を会社側に申し入れていた場合、もしくは実際に資格取得のための研修費用を補填してもらっていた場合なども信義則に反している行為として損害賠償請求の対象となる可能性があります。

内定辞退の損害賠償請求には従わなければならないのか?

ご質問のケースでは、損害賠償請求となる可能性は非常に低いものとして考えられますが、人材を採用するために会社は多大な時間とコストをかけていますので、内定の辞退により会社とトラブルにならないためにも、やむを得ず内定を辞退しなければならなくなった場合はその理由をしっかりと会社側に説明すると共に、迅速で誠実な対応を心がけることも大切ではないでしょうか。

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